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取引相場のない株式の評価方法とは?

 株式のうち、上場株式にも気配相場等のある株式(詳しくは、株式の評価額のページまで)にも該当しない株式を取引相場のない株式といいます。
 取引相場のない株式は、相続や贈与などで株式を取得した株主が、その株式を発行した会社の経営支配力を持っている同族株主等か、それ以外の株主かの区分により、それぞれ原則的評価方式または特例的な評価方式の配当還元方式により評価します。
 

同族株主等か、それ以外の株主かの区分

 同族株主等か、それ以外の株主かの区分により、株式の評価方式が変わってきます。そのため、この区分はとても重要なこととなります。特例的な評価方式の配当還元方式で評価する株式は次のようなものとなっています(財基通188)。
 
 同族株主のいる会社
 (1)同族株主以外の株主の取得した株式
 (2)中心的な同族株主以外の同族株主で、その者の取得した株式
 
 同族株主のいない会社
 (3)株主の1人およびその同族関係者の議決権割合の合計が15%未満である場合におけるその株主の取得した株式
 (4)中心的な株主がおり、議決権割合が15%以上のグループに属し、かつ、その者の議決権割合が5%未満である者の取得した株式
 

(1)同族株主以外の株主の取得した株式

 同族株主のいる会社の株式のうち、同族株主以外の株主の取得した株式。
 同族株主とは、課税時期における評価しようとする株式の発行会社(以下「評価会社」)の株主のうち、株主の1人およびその同族関係者の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の30%以上である場合におけるその株主およびその同族関係者をいいます。なお、その評価会社の株主のうち、株主の1人およびその同族関係者の有する議決権の合計数が最も多いグループの有する議決権の合計数が、その会社の議決権総数の50%超である会社にあっては、50%超におけるその株主およびその同族関係者をいいます。
 同族関係者とは、法令4(同族関係者の範囲)に規定する特殊の関係のある個人または法人をいいます。ただし、当該法人の判定については、同条第2項中「株式の総数」は「議決権の数」と、「発行済株式の総数」は「議決権総数」と、「数の株式」は「数の議決権」と読み替えます。
 

(2)中心的な同族株主以外の同族株主で、その者の取得した株式

 中心的な同族株主のいる会社の株主のうち、中心的な同族株主以外の同族株主で、その者の株式取得後の議決権の数がその会社の議決権総数の5%未満である者の取得した株式。
 ただし、課税時期において評価会社の役員である者および課税時期の翌日から法定申告期限までの間に役員となる者を除きます。
 中心的な同族株主とは、課税時期において同族株主の1人ならびにその株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹および1親等の姻族(これらの者の同族関係者である会社のうち、これらの者が有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の25%以上である会社を含む)の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の25%以上である場合におけるその株主をいいます。
 役員とは、社長、理事長のほか、法人税法施行令第71条第1項第1号および第3号(法令71)に掲げる者をいいます。単なる取締役や、使用人兼務役員などは除かれます。
 

(3)株主の1人およびその同族関係者の議決権割合の合計が15%未満である場合におけるその株主の取得した株式

 同族株主のいない会社の株主のうち、課税時期において株主の1人およびその同族関係者の有する議決権の合計数が、その会社の議決権総数の15%未満である場合におけるその株主の取得した株式。
 同族関係者とは、法令4(同族関係者の範囲)に規定する特殊の関係のある個人または法人をいいます。ただし、当該法人の判定については、同条第2項中「株式の総数」は「議決権の数」と、「発行済株式の総数」は「議決権総数」と、「数の株式」は「数の議決権」と読み替えます。
 

(4)中心的な株主がおり、議決権割合が15%以上のグループに属し、かつ、その者の議決権割合が5%未満であるものの取得した株式

 中心的な株主がおり、かつ、同族株主のいない会社の株主のうち、課税時期において株主の1人およびその同族関係者の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の15%以上である場合におけるその株主で、その者の株式取得後の議決権の数がその会社の議決権総数の5%未満である者の取得した株式。
 ただし、課税時期において評価会社の役員である者および課税時期の翌日から法定申告期限までの間に役員となる者を除きます。
 中心的な株主とは、課税時期において株主の1人およびその同族関係者の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の15%以上である株主グループのうち、いずれかのグループに単独でその会社の議決権総数の10%以上の議決権を有している株主がいる場合におけるその株主をいいます。
 役員とは、社長、理事長のほか、法人税法施行令第71条第1項第1号および第3号(法令71)に掲げる者をいいます。単なる取締役や、使用人兼務役員などは除かれます。
 

相続税の課税価格の特例(措法69の5)

 相続または遺贈により取引相場のない株式等を取得した場合、一定の要件のもと、その相続税の課税価格を減額することができる特例があります。詳しくは、こちらのページまで。
 

まとめ

      同族株主のいる会社
株主区分 評価方式
同族株主 議決権割合5%以上 原則的評価方式
議決権
割合
5%未満
中心的な同族株主がいない場合
中心的な同族株主がいる場合 中心的な同族株主
役員
その他 配当還元方式
同族株主以外の株主
 
      同族株主のいない会社
株主区分 評価方式
議決権割合が15%以上のグループに属する株主 議決権割合5%以上 原則的評価方式
議決権
割合
5%未満
中心的な株主がいない場合
中心的な株主がいる場合 役員
その他 配当還元方式
議決権割合が15%未満のグループに属する株主
 

   
運営 税理士・中島IT会計事務所/東京都港区