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居住用・事業用の宅地は評価額が安いの?(小規模宅地等の評価減の特例)

 小規模宅地等の評価減の特例について、説明します。
 

小規模宅地等の評価減の特例の内容

 居住や事業のために使用している場合の宅地の財産評価は、一定面積(200u、240u、400u)までの部分については安くなります(これを、小規模宅地等の評価減の特例といいます)(措法69の4)。これはなぜでしょうか。理由を順に説明します。
 @居住用宅地
 遊休地は、ぜいたくな土地かもしれません。ただし、人は住むところが必要であるため、居住用宅地は生活の基盤となります。もし他の土地と同じように財産評価をしてしまえば、その住んでいる土地を売却して、相続税を支払わなくてはいけないかもしれません。
 このように生活の基盤を壊さないように、評価額を安くし相続税が安くなるように考えられているのです。
 A事業用宅地
 事業として使っている土地があるとします。もし他の土地と同じように財産評価をしてしまえば、その事業を営んでいる土地を売却して、相続税を支払わなくてはいけないかもしれません。それでは、事業の承継が難しくなってしまいます。そのため、評価額も安くなっているのです。
 なお、どちらも一定面積までは最大で評価額が80%割引となりますが、一定の要件を満たさないとダメなので気をつけてください。また、この特例は相続税がゼロになっても申告は必要です。この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書に、この特例を受けようとする旨その他所定の事項を記載するとともに、その他一定の書類を添付する必要があります。
 

特例の対象となる宅地等

 特例の適用を受けられる宅地等は、個人が相続や遺贈により取得した宅地等で、次のすべての要件に該当するものです(措令40の2措規23の2)。
 
 (1)相続開始直前において、被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業の用もしくは居住の用に供されていた宅地等または国の事業の用に供されている宅地等であること。
 この場合、事業には、事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為(準事業という)が含まれます。したがって、不動産貸付業とはいえないような不動産の貸付けであってもこの特例の対象となります。ただし、この特例の対象となる不動産の貸付けは相当の対価を得て継続的に行うもの(有償貸付)に限られていますので、使用貸借により貸し付けられている(無償貸付)宅地等は特例の対象になりません。
 
 (2)建物又は構築物の敷地の用に供されていたものであること。
 
 (3)棚卸資産及びこれに準ずる資産に該当しないものであること。
 
 (4)各人が取得した宅地等のうち、この特例の適用を受けるために選択した宅地等が限度面積までの部分であること。
 この場合の限度面積とは、その選択した宅地等の利用状況等により次のようになります。
 
どれだけ減額されるか
項目 区分 最大適用
  面積
減額割合
居住用 特定居住用宅地等 240u 80%
その他 200u 50%
事業用 特定事業用宅地等 400u 80%
特定同族会社事業用宅地等 400u 80%
その他 200u 50%
貸付用   200u 50%
 
 (5)相続税の申告期限までに分割されていること。ただし、下記のように救済措置があります。
 

相続税の申告期限までに未分割の場合

 申告期限までに分割されていない宅地等が、次のいずれかに該当することになったときは、この特例の適用を受けられます。
 イ相続税の申告期限後3年以内に分割された場合
 ロ相続税の申告期限後3年を経過する日において分割できないやむを得ない事情があり、税務署長の承認を受けた場合で、その事情がなくなった後4か月以内に分割されたとき
(注)
上記の場合には、遺産分割が行われた日の翌日から4か月以内に税務署長に対し、更正の請求書を提出することができます。
 
相続税の申告期限までに未分割の場合
 

   
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